「 シャンソン・フュネライユ(葬送の歌) 」 用 語 集(あ→さ) で す 

「スペイン墓の魚・室内管弦楽団」の歌詞によく登場する
音楽用語歌詞の一節の意味や、単語の意味などをあげてみました。
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「シャンソン・フュネライユ」を理解するカイドにしていただけると嬉しいです。

*****用 語 集 の 見 方*****

何もなし=一般的な民俗学、宗教、歴史的な用語の解説。

**=作者・黒実 音子のオリジナルの単語など

*
=歌詞、セリフの一節の意味など

******************************

本用語集を、できるだけシンプルにする為に、なるべく基本的な単語(例・
魔女、妖術など)は割愛し、一般的に知られていないと思われるような単語
を優先して掲載いたしました。

また、「シャンソン・フュネライユ」に登場する単語でも、楽器の名前に関
しては、できるだけこちらには掲載しないようにいたしました。楽器などに
関しては、スペイン墓の魚・室内管弦楽団の楽器のページを御参照下さい。







アドナイハアレッツ・アドナイメイレク
召喚魔術の本に記されている詠唱呪文の一部。「黄金の
夜明け団」という魔術結社が記している。エノク語だと
言われている。



アンチキリスト
聖書に、いつか出現するだろうと記されているキリスト
に敵対する予言者。ただ単にキリスト教に反対する者の
事も指す。



アンブロジウス聖歌
グレゴリオ聖歌の時代に、イタリア・ミラノ
で歌われていたと言われている別の聖歌。



イタ公共には寛容だな*
「神はイタリア人達には寛容だ」という意味で、「イベリ
アのサバト・第2書簡・墓の香り漂う集会編~練習劇台
本~」の中で、妖術使によって使われたセリフ。イタリア
(正確にはヴァチカンだが)にカトリックの本山がある為、
だと思われる。



犬の道化*
犬の哲学者と呼ばれるキュニコス哲学者の事。
参照→犬の哲学者「犬儒」



イベリア
南欧にある半島を指す名前。スペイン、ポルトガルがある。



イベリアの毒イモリ*
恐らくイベリアトゲイモリ(スペインイモリ)か、ミドリ
イモリの事だと思われる。どちらも有毒。



ウィッカン(森の魔女)
英国を中心に実在するの魔女の一派。
「シャンソン・フュネライユ」では「森の魔女」と呼ばれている。



ヴィーニョ・ベルデ
ポルトガルのワイン。摘み取る時期の早いブドウを使っ
て作る事から「緑のワイン」という意味の名前を持つ。



エスカラバホ・カローニャ
埋葬虫の事。スペイン語。



エノク文字
魔術語。16世紀に魔術師エドワード・ケリーが考え出
したと言われているが、確かではない。文字の配列に
よって、様々な魔力を発揮するとされている。悪魔召
還などの祈祷文に使われる。



エル・ティテレ
操り人形の意。スペイン語。



男のまくら元にブルゴーニュカタツムリを這わせる*
カラコル(カタツムリ)の妖術を参照。




カエル魚
ガリシア地方でアンコウの一種を指す名前。
ガリシア語でペイシェセ・サポ。



カシケ
辺境豪族、地方豪族の事。スペイン語。



神なんてソプラノで歌える奴にしか、何もしてくれないものなのだ*
「イベリアのサバト・第2書簡・墓の香り漂う集会編~練習
劇台本~」の中で、妖術使によって使われたセリフ。恐らく
当時、聖歌隊の中でソプラノパートが神学的理由で特別扱い
されていた事から、出たセリフだと思われる。



カラコル
カタツムリの事。スペイン語。



カラコル(カタツムリ)の妖術
南欧(スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア)では、何種
類かのカタツムリを食べる文化があり、中でも、フランス・ブ
ルゴーニュ地方のぶどうの葉を食べさせ、育てたリンゴマイマ
イが最高級とされている。だが、養殖ではない野性の固体は寄
生虫の巣になっている為、非常に危険で、これらの寄生虫は人
間を失明させる事もある。「シャンソン・フュネライユ」でも
カタツムリを使った邪悪な妖術が登場するが、恐らくこれらの
寄生虫を利用した悪行であると思われる。カタツムリを使った
妖術の記録はあまりないが、十七世紀フランスで、6匹の邪悪
なカタツムリを使い魔に持っていた妖術使の記録が残っている。



カラコレス
「カタツムリ売り」の事を歌ったフラメンコの曲。南欧では
カタツムリを食べる文化があり、毎年、決まった時期に町に
「カタツムリ売り」が現われる。



ガリア地方
現在のフランス周辺の古い地名。



ガリエーゴ共
ガリシア人達の事を指した言葉。



ガリシア語
スペインの北部にあるガリシア地域で話される
言語。スペインの中央で話される代表的なカス
ティーリャ語とはかなり異なった特徴を持つ地
方言語。



ガリシア地方
スペインの北部にある一地域。スペインの代表
的ともいえる有名なアンダルシア地方とは全く
異なる文化を持つ。スペインはこのように各地
で異なる文化が様々に点在している。



カローニャ**
「腐敗した屍」、または「腐敗」を意味するスペイン語。
黒実の作品に登場する妖術使達には、魔女名にカローニャ
(またはカロニャ)という言葉がつく者が多い。これは魔女
達が、「腐敗したムール貝」や「腐敗した犬の屍」という
意味の魔女名をつける事が多かったからである。



カローニャ・デ・メヒヨン
ムール貝(メヒヨン)の屍という意味。スペイン語。



カンテ
本来は、歌を意味するスペイン語。だが、フラメンコの歌を指
す場合が多い。




ギターラ
ポルトガルギターの事。ポルトガル語。場合によっては、他の
弦楽器の事も指す。



キャニドン村
イギリスの村の一つ。昔、大規模な魔女狩りが行われた。



キャニドンの娘
キャニドン村の魔女の事。昔、キャニドン村では大規模な
魔女集団がいたとされている。キャニドンの魔女達は、ハ
リネズミのみを使い魔とする事や、完全な跡目制度だとい
う事などの、いくつか他の地の魔女達と異なる特徴を持ち
「キャニドンの魔女」と言われている。



ギリシャリクガメ
イタリア南部、ギリシャなどに生息するリクガメ。生息地域
では普通に道を歩いていたりする。「シャンソン・フュネラ
イユ」に登場する妖術使達は、このリクガメを使った妖術を
行う。



キルケーの女神
ギリシャの女神。魔法を得意とし、薬草の知恵
に長けていたなどの特徴がある為、魔女の祖型
とも言われている。中世の一部の魔女達が崇拝
していた。魔女の神と呼ばれる事もある。



クエンカ
スペインの町の一つ。有名な修道院がある。



クサリヘビ
クサリヘビ科、あるいはクサリヘビ属のヘビの総称。
この科のヘビには毒蛇が多い。



グリンゴ
よそ者、外国人の意。スペイン語。



クレド
教会のミサの祈りの形式の一つ。ラテン語。「信仰」
という意味でもある。



黒い雄鶏
黒い雄鶏は、妖術、魔術の世界で、邪悪な産物と考え
られ、儀式、生け贄に使われた。また、中世ヨーロッ
パで出回った妖しい魔術書の名前でもある。



ケサティージャ



ゲヘナ
キリスト教で地獄を意味する言葉。本来はエルサレム城壁の南に
ある谷の名前だが、大昔、そこで大量の幼児犠牲が行われた事か
ら、地獄に例えられるようになった。



ゲレフの月*
ゲレフとは、古代エジプトで「欠乏」を意味する神の名前でもあ
り、古代エジプトの文章では「夜」を意味する言葉でもある。こ
の場合、ゲレフの月とは「夜の月」という意味にとらえるべきだ
と思われる。



犬儒派
参照→犬の哲学者「犬儒」



荒野の愛しきあの男(ひと)*
悪魔の事を指している言葉。サバトは荒野などで行われたと
されている。魔女達は日々の欲求や、鬱憤を、幻想を見る事
で解消した。ゆえに魔女にとって悪魔とは自分の理想の男性
である事が多い。



業者
黒人を捕まえて売り捌く、奴隷商人の俗称。



コサックダンス
ロシアに伝わる舞踏の一種。コサックという
農民集団が祝宴で酔っぱらい踊ったものが原
形らしい。



コルビーナ



コルドベス
スペイン人のかぶっている帽子。フラメンコや、アルゼ
ンチンタンゴなどでも使われる。



コンサルテス**
コンサティーナ(小さい手風琴)の事。



コンチネンタル・タンゴ
スペインからラテンアメリカに渡った人々が作ったアルゼン
チン・タンゴが、クラシックの世界に取り込まれ、生まれた
タンゴ。荒く、情熱的なアルゼンチン・タンゴに比べて、優
雅で大人しく、メロディーもわかりやすいのが特徴。



コンパス
拍子、リズムの事。スペイン語。



コンパドリート
ならず者、ろくでなしの意。スペイン語。



コンベルソ
スペインで、ユダヤ教からキリスト教へ改宗した者を指
す言葉。スペイン語。




罪悪の豆
大昔、アフリカの一部地域ではカラバル豆という
毒豆を使って裁判を行っていた。毒豆を飲み込み、
死ねば有罪、生き残れば無罪というもので、神の
意志を確認する手段であった。これは無罪の者は
ためらいなく一気に毒を飲むので、嘔吐作用で毒
を吐き出して助かり、有罪の者はびくびくしなが
ら少しずつ飲むので、毒がじっくり効いてしまい
死ぬのだとも考えられている。



魚の魔女**
「シャンソン・フュネライユ」に登場する魔女達
を指して呼ぶ名称。他の流派の魔女「森の魔女」
や「アルビ派の魔女」と区別する時に呼ぶ。
名前の由来は、作者・黒実 音子が魚をテーマに
した作品を作っている事や、「シャンソン・フュ
ネライユ」の物語に魚介類を使うまじないがよく
登場する事から。

参照→「墓の魚」の名前の由来



サバト
魔女達が集まる「魔女の祭り」の事。サバトは、様々な
流派の魔女達が使う言葉であり、その定義は広い。例え
ば善良な魔女(ウィッカン)達の開くサバトなら、それは
森の中や、あるいは代表者の家で開かれる集会の事であ
り、邪悪な魔女達の開くサバトならば、それは墓場の中
や廃虚で行われる悪魔の主催する祭りの事を指す。



サルスエラ



サンタ・コンパーニャ
ガリシア地方で伝わっている亡霊達の行列。



サンボンバ



サンルーカル・デ・バラメーダ
スペインの町の一つ。港町。



ジェニパーベリー
ほんのり辛い植物の実。風味がコショウに似て
いると言われている。料理に使う他、強者はシ
ングルでお茶にして飲む。常用すると体によく
ない。



シデムシ
甲虫目シデムシ科の昆虫の総称。埋葬虫、死出
虫とも書く。動物の死骸などを食べて生きてい
る。昔は人の死体などにもよってきて、墓場な
どに多く住んでいた為、気味悪がられていた。



ジプシー
中世に、突然ヨーロッパにやってきた移動民族。当時
のジプシー達は自分達がエジプトから来た。と言って
いたが、実際はインドの方からやってきたという説が
有力。ただ、確実な所はわかっていない。時には盗み
などを働き、妖し気な呪術体系を持ち、占いなどの商
売もしていた事から、ヨーロッパ各地で嫌われ、迫害
を受け、魔女と考えられたり、悪魔とのつながりを噂
されたりしたが、なぜかユダヤ人ほどは悪魔と関係し
た迷信はささやかれていない。ヨーロッパの各地に散
らばり、定着していった一族も、今も移動している一
族も存在する。ユダヤ人と違い、今も民族的特徴を持
ち、黒髪、黒い瞳など、独特の風貌をしている。スペ
イン、ポルトガルでは、ジプシーが定住した為、スペ
イン、ポルトガル人にはその血が濃く混ざっている者
もいる。ジプシーは正式にはロマという(スペインでは
ヒターノと呼ぶ)。



邪悪なダンナ*
悪魔の事を指している言葉。



職業差別と迷信
中世では職業差別などが、魔女幻想、悪魔幻想と結びついてい
た。靴職人、花火師、鍛冶屋、金貸しなどは悪魔や妖術使だと
噂される事があった(妖し気な火花などを放ったりする為か?)。
花売リ娘、産婆など、男性の知らない知識で商売する者も神秘
的だった為か、魔女だと考えられた。



十字路
古くから十字路には魔女や悪魔が集まる。と考えられて
いた。十字路は迷信、妖術的な意味を持つ。サバトは十
字路で行われるという言い伝えもある。



シリアの民
パレスチナや、レバノン周辺の民の古い呼び方。
この場合、現在のシリア・アラブ共和国の事では
ない。



新月
地球から見た時に月と太陽が同じ方向となり、月が見え
なくなる現象。昔から新月の晩は、満月と同様、魔物の
力が満ちると言われる。また、新月は魔物の仕業と考え
られていた。



スガラムディ村
スペイン・スガラムディ村の魔女集団は完全に階級づけら
れた組織で、ヒキガエルを使い魔とし、一人前になると、
ヒキガエルを自在に操れる妖術を伝授されるなど、他の土
地の魔女達にはない独特な特徴を持つため「スガラムディ
の魔女」と呼ばれていた。下っ端の魔女達はヒキガエルの
飼育係をしていたと言われている。



聖なるパン
聖体の事。キリスト教では、ミサや聖体礼儀で食する
ためにパンを聖別し、キリストの体の実体として考え
る。



聖なるパンより、ヒキガエルを愛している*
「信仰」より、「迷信」を愛している。という意
味の文章。「聖なるパン=信仰」「ヒキガエル=迷
信、妖術」とそれぞれ訳す。



税は払えない*
魔女は貧しい為、税金が払えない事が多い。16世紀フラン
スのラ・ガンティエールという魔女は、税金を悪魔に代わ
りに払ってもらい、その後、お金が消えてしまった為、魔
女である事がばれて処刑されている。



セントージャ
アルゼンチンイバラガニ(南極ガニ)の事。アルゼン
チン付近や、地中海などでは一般に売られているが、
日本では販売される事はほとんどない。



葬送のラテン楽団・公式サイト
スペイン墓の魚・室内管弦楽団
「人生とは一つの葬儀なのだ」厳粛で陽気な葬送の歌の世界♪

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