シャンソン・フュネライユ(葬送の歌)とは 作曲家・黒実 音子(くろみ ねこ)の作りだす神学的な哲学や、ユーモアや、 風刺に富んだ詩のついたオリジナルの音楽の総称で、ジャンル的にはクラシ ック音楽とポルトガル音楽のファドの中間のような存在。 シャンソン・フュネライユとは、フランス語で「葬式の歌」。 クラシックでいうレクイエム(怒りの日)や葬送行進曲などに近い意味を持った テーマの音楽で、メメント・モリ(墓の哲学)をテーマの一つにしている他、キ リスト教の信仰にもとずく宗教幻想なども扱う。 宗教的で、風刺的な歌詞や、ひねくれた道化が歌い手として登場する所など、 十六世紀スペインの宗教・風刺劇である「コメディア・デ・サントス」に強い 影響を受けている。また、その歌詞はトラジコメディーとも評価される。 南欧や古典に関するマニアックなネタや、テーマなど「知的遊戯」として作ら れている面も強く、日本ではなかなか他に試みのない音楽になっている。 曲調は、クラシック音楽、ラテン音楽(ソナタ、対位法、フーガ、シャンソン、 ファド、タンゴ、フラメンコ、オペラ、ジャズなど)を多く取り入れながらも、 他の音楽には無い独特の和声や、表現技法を持つ。 宗教幻想として、異教徒を扱った曲が多い事から、別名「魔女の音楽」とも呼 ばれる。 |