ヴァニタスとは 16世紀のヨーロッパで流行した静物画の一ジャンル。言葉の意味はラテン語 で虚栄。 人間の豊かさ、繁栄を表現する食べ物や財宝を描いた静物画の中に、髑髏や、 砂時計を描く事により、それらの豊かさ、繁栄が永遠ではない、やがて死が 現世での価値観、地位、全てを無に帰す、などの皮肉を込めた。 ただ、それらの絵が持つ意味の受けとめ方は、決して暗いものではなく、 「だからこそ今を楽しめ」「死があるからこそ、今の生を楽しもう」という ラテン哲学的な意味も持っていた。 メメント・モリの思想に近いものがあったと思われる。 |