「ラ・メルド・ラタンの幻想(サーカス幻想曲)」より
第3番 墓碑銘
〜サン・ジノサン墓地の行進曲〜op19 No.5
作詞作曲 黒実 音子
1.
**朽ちた骨**
見ろ、我らのこの朽ち果てた
哀れな姿を
蛆共に喰われて、さらされた骨を
どんな富も、金の勲章も
ひととき、ひと間の儚い命
白い骨になった今
土虫の餌よ
2・
見ろ、我らのこの晒された
罪と、生きた証を
鴉共につままれて、
朽ちていく様を
どんなに肥えた骸の油も
御大層なカルトゥジアのストラも
一人の孤独や埋葬虫から
守ってはくれぬ
3・
**屍達**
見ろ、我らのこの哀れな
虚しい髑髏の目の穴を
何も見る事のない
冷たい闇を
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**朽ちた骨**
サーカスがやってくる
疫病、欲望、色恋・・・滑稽なパレードだ!!
貧者から毟り取れ!!
欲のままに肥え太れ!!
それこそ我ら人間だと!!
**女の死霊**
さぁ、祈れ
繰り返される悲劇
魂を削る
日々の職務から
ザリガニ共(イギリス兵)も、
いばり屋共(フランス兵)も
区別もつかぬ
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-------間劇--------
**墓守**
断頭台へ行かれるのですか?
**悪党**
そうです。
罪をきせられたのです。
殺されようと、
老いで死のうと、
死ぬまでの生涯だ。
**墓守**
それだけが全てだ。
**悪党**
赤も黒も首を切られれば
ただの白い骨だ!!
そこには何も無いのだ!!
犯した罪も、許せぬ者も、
今となっては幻か
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4・
**天使達**
それでも罪はいつか許され
土に帰るだろう
**悪党の骨**
醜い、悪しき腐敗も
主は許すだろう
想った娘の事も
涙、流したあの時の少年も
今はもう知らない
ただ、疲れて
骸すら無くなり
主の国へ
5・
**全員**
俺をふった娘も、俺も、
友も、神父も、憎き仇も、
誰もがいつか出会うだろう
許す自分と
ずっと望んでいた
永遠の国で