3つの黒ミサ曲より
バンドネオン弾き　~またの名を死にゆく、ろくでなしのタンゴ~

作詞作曲　黒実　音子





1.
(セリフ)
「おお、兄弟達よ!!　
俺はここで死んでいく
何という、ろくでもない人生だったことか!!
喧嘩にあけくれ、野心にとりつかれ、
そして、信じていた者の裏切りで
俺は死ぬのだ」


おお、悪友達!!
俺が死ねば、せいせいする博打打ち達
困惑し、あざ笑う女共
俺はここで死んでいく!!
頭の悪い野良犬のように

神の歌など歌わない
そんなものはタンゴにはないのだから
ヤクザ者が死ぬ時は、
ただ一人の女を想うだけだ
哀れな鴎が人知れず歌うのだ

ああ、我がスサーナ!!
わかってくれ、俺は行く
懺悔も後悔もせずに行く!!
誰も知らない路地裏で死んでいく
そんな魂にこそふさわしい場所へ


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パレルモの酒場の幻を見るだろう
俺達がタンゴを踊る
今夜だけは　俺の最後の夜だけは
スサーナよ!!　おまえは俺と踊ってくれないか？
下品な踊りとあざけらず　低俗な歌と罵らず
まるで祝福された裕福な２人のように
ああ　昔の俺達のように
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2.
(セリフ)
「おお、街よ!!
俺を育てた貧困だけが巣喰った街
俺は今日ここで死んでいく !!
笑うがいい　
俺の惨めで糞ったれな人生を!!
虫けらみたいに死ぬこの魂を!!」


俺を理解する者などいなくていい
放っておいてくればいい
もしこの街に慈悲があるのなら!!
バンドネオン弾きの奏でる曲が
ろくでなしへの餞になる

ああ、我がスサーナ!!
わかってくれ、俺は行く
口惜しいとは思わない
臆病者で、寂しがり屋な
伊達男が幕を下ろすだけだ


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夢を見せてくれ、あの少女との夢を
はるか昔、俺を愛し、叱り
今は俺の知らない所で暮らしている
あの女の夢を
ああ、夕日が沈み　
それに包まれていた２人を!!
道ははるか昔に別れ、
あの時、互いが帰路につき
俺達の冒険は終わったのだ
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パレルモの酒場の幻を見るだろう
俺達がタンゴを踊る
今夜だけは、俺の最後の夜だけは!!
スサーナよ!!　
おまえは俺と踊ってくれないか？
下品な踊りとあざけらず、低俗な歌と罵らず
まるで祝福された裕福な２人のように
ああ、昔の俺達のように!!
**********************


(セリフ)
「おお、兄弟達よ!!　
俺はここで死んでいく
全てが消え、幻となっていく
だが人生とは、常に賛美され、祝福され、
詩を書き、祈りを唱えているだけでは、
主の元には行けぬものだ・・・」