「黒い月の5つのファド」より
亡き女のファド

作詞作曲　黒実　音子





ああ、なんという悲しいことね
何もかも幻と消えてしまうではないか
リスボアの町にいた仲間達も皆、
もうはるか昔に土になった
悲しみを超えて私はもう涙も忘れた

私は亡霊(バンシー)、月に捕われ赤色夜に彷徨う者
三日月の夜、屍に恋をした少年が私に問いかける
我々はいつまで彷徨い続けるのか？
知らない、知らない
もう何もわからない
救いたかった者達は、はるかおぼろげな夢の中

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だがしかし、それでも
おまえは私を愛するという
愚かな愛と魂で
ならば教えてあげよう
失った時間の冷たさを
私はお前に死をあげよう
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私は亡霊(バンシー)、
死に焦がれ緑の衣を身にまとう者
コンサルテスを弾き、忘れた魂に涙する幽霊
リスボアの港の光は何をうつしている？
もうはるか昔に土になった日々の
永遠を讃えている？

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だがしかし、それでも
おまえの愛が失われないのなら
悠久の時間も溶けるかも知れない
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まぁ、この世界はそんなものなのかもしれない
だから闇も光も、
今は静かにただ沈黙しているだけ
だから私は、夜にすすり泣き
おまえは真実の愛を見つけるのだろう