「イベリアの豚・夜の七つの幻想 [記録としての古詩と当世詩]」
第五の月 終祭唱 〜モンパルナスの墓守〜[古詩+当世詩]
作詞作曲・黒実 音子
***墓守***
俺はモンパルナスの墓守さ!!
ああ、永久に眠る死者共よ!!
人生は去っていく、たくさんの恋や友と共に
そして何者も、青春の悲しみを癒す事はできないのだ
歌え若きフランスよ!! 愚かに飲め!!
どうせ最後はお前達が馬鹿にした
この墓守の守る場所に来るのだ
ああ!! 富も名誉も最後には
虫に食われ、棺桶の中で朽ちるだろう
共産党員も、スカプラリオをつけた気取り屋も!!
死ねば、仲良く並んで土の中で対面するのさ
ああ!! ミンド方言で語る死者よ!!
カルロス党員の亡霊よ!!
教えておくれ!! 幸福ってやつを!!
***ペル・ラアメスの女の亡霊***
ああ!! それでも!!
それでも私は、申し上げたい!!
私はかつて、この世に生まれ、幸せだったと!!
思い返すのは、美しかった日々
例え、それが滅びる運命だったとしても!!
***墓守***
ああ、それでも俺達は、
自分の道を信じて歩むのだ!!
何もかもが叶わぬ夢でも!!
まるで骸を吹き抜ける風のように
意味なく消えてゆく栄光も!!
***ペル・ラアメスの女の亡霊***
ああ!! 意識が遠のき、オシリスの神が私を招く!!
そう、人生が結ばれる事なく
終わる陽炎なのだとしても
***墓守とペル・ラアメスの女の亡霊***
すばらしい奇跡!!
我々は生まれ、信心によって救われる
そう、それを人は言う!!
人生とは、まさにそれであると!!
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***色男***
それでも人は夢見て慕い続ける
愛する人の日常に入れてもらう事を
***まじない女***
例え、それがどんな
おのれを傷つける魔術でも
***町娘***
私は、また闇に落ちて眠り
貴方は光の中を歩いてゆく
それが私達の距離!! でも、
私は貴方を愛してるの
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***全員***
それでも人は夢見て歩き続ける
自分の信じた道を、誰もが歩いてゆく
例え、それがいつか
滅びる運命だったとしても
夢とは叶える為のものではない
道往く者が掲げる、闇照らす光
さぁ、幕を開けよう
終わる事の無い、愛の劇の幕を
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