■コンサート内容






スペイン文学の

「陽気な埋葬」って何?









南ヨーロッパには「死」をテーマにした芸術が

伝統的に昔から存在しています。


これをメメント・モリ(memento Mori)と言
います。


例えばサン=サーンスの名曲「死の舞踏」や、

グレゴリオ聖歌の「怒りの日」などがそうですし、

クラシック以外にも、シャ
ンソンの「かもめ」、

フラメンコのあるカンテの詩など、

これらは皆、メメント・モリをテーマに作られているのです。





フラメンコ・ブレリアの詩↓

Envidia tengo a la tierra,
y tambien a los gusanos
que se tengan que comer
este cuerpo tan gitano.

俺は土と蛆虫共が
うらやましくてならない。
こんなにもジプシー的な
お前の体を食べるのだから。




しかし、をテーマにしていると言っても、

ラテン諸国や南欧では、必ずしも暗いテーマだけではなく、

「死」を陽気にとら
え、

「死があるからこそ、今を楽しく生きなければいけない」

「死があり、苦があり、だけど喜びもある。それが人生だ。」

と、前向きな哲学で解釈する面を持っています。



スペイン文学の哲学を追求する黒実 音子200余りの全

作品を、全てメメント・モリというテーマで作曲し、

ラテン文学的世界を専門にしている作曲家
す。


彼は、教会の葬儀のような「厳格な死」の表現の作品の他に、

陽気な人生のトラジ・コメディを歌った「ラテン的な死の曲」

を多数作曲して
います。



ポルトガルの墓地で、風刺を語りながら土を掘る女のファド、


ヤクザ者の男と女の、人生の暗い穴に落ちた者達のタンゴ、


処刑された悪党達の骸が、陽気に現世の虚しさを歌うミュゼット、


などなど、まさに本コンサートの曲目はスペイン文学に登場する

ような「陽気な埋葬」!!


この楽団でしか聴けない、南欧の伝統音楽の世界を、

ぜひ、豪華なオペラ生演奏でお聴きください!!!








アルゼンチンタンゴのギタリスト、

クラシックのオペラ歌手などを迎え、

古き良き時代のラテン音楽を再現する





 




乞食の道化師クローシャル・ド・アンジャンプマン(Clochard de enjambement)。

黒実 音子の作品のテーマは、

「古い時代のラテン音楽」ですから、


今回も、クラシック、教会音楽、
タンゴ、フラメンコ、ジャズ、

ミュゼット、シャンソン、オペラなどの

各演奏陣が集まり、古き良き時代の陽気な歌から、

厳格な歌までを豪
華に表現します。



他にも、日本には数台しかないと言われている

南イタリアの民族楽器キタラ・バテンテや、

ポルトガルの港町の音楽ファドにしか使用されないと言われている

「悲しみの弦楽器」ポルトガルギター

ヨーロッパでバッハよりも古い時代から使用されていた弦楽器リュート

19世紀ギター
なども登場いたします。

このような楽器陣の揃うコンサートは、他では絶対にありません!!!






独自の歌い手達

道化師クローシャルや、

スペイン娘





 


   
カロニャ・デ・メヒヨン(Carrona de mejillon)


黒実音子の作品は、オペラ歌手が多くの曲を歌いますが、

他にもフランス娘ラ・メルド・ラタン(La Merde Latin)や、

スペイン娘カロニャ・デ・メヒヨン(Carrona de Mejillon)など、

楽団独自の歌い手も登場します。



フランス娘は、トリッキーで陽気なフランスミュゼットなど、

スペイン娘は、暗くラテン的な風刺歌などを歌います。



また、乞食の恰好をしたスペイン風・道化師

クローシャル・ド・アンジャンプマン(Clochard de enjambement)も見所です。


アンジャンプマンとは、オペラ用語で「字余り」の意味。

乞食などの社会の弱者が社会風刺をするスペインのピカレスク文学から生まれた、

字余りのリズムで歌う「墓の魚」の道化
師です。


歌い手に関する詳細はこちら←




 


■出演オペラ歌手プロフィール




小木曽鮎美(ソプラノ歌手)

東京藝術大学音楽学部声楽科ソプラノ
専攻卒業。


東京二期会オペラ研究所マスタークラ
ス 修了。

第54回全日本学生音楽コンクール高校
の部 名古屋大会第一位 全国大会入選。

第60回同コンクール大学一般の部 名古
屋大会第一位 全国大会入選。

受賞者記念コンサート出演。
東京サミットコンクールグランドファ
イナル奨励賞。


東京芸術大学卒業演奏会、読売中部新
人演奏会、アカンサス東海新人演奏会、
アルティスタコルダコンサート、宗継
ホールコンサートなど演奏会に多数出
演。


紅白歌合戦や木曜8時のコンサートの
バックコーラスなども務める。


舞台では、オペラ〈ジャンニスキッキ〉
ヒロインのラウレッタ役〈後宮からの
逃走〉ブロンデ役に出演。

また、YMCA主催国際協力ボランティ
アコンサートや老人ホーム、ファミリ
ーコンサートなどボランティア活動に
も力を入れている。


二期会会員


伊藤雅俊(テノール歌手)
(ドン・ピングイーノ)

千葉県出身。

高校時より声楽と舞台演劇を始める。
洗足学園音楽大学声楽専攻卒業。
日本声楽家協会研究所演奏家コース
修了。
東京国際芸術協会新人演奏会出演。
長江杯国際音楽コンクール声楽部門、
ACJ日本歌曲コンクール入賞。
ル・ブリアンフランス音楽コンクー
ル審査員賞。
及川音楽事務所新人オーディション
合格(優秀新人賞)。
同大学主催に於ける音楽祭のソリス
トや文化庁主催、国民文化祭オペラ
公演。
横浜市旭区民合唱祭25周年記念ゲ
スト演奏などに出演。

オペラではビゼー「カルメン」、モ
ーツァルト「魔笛」、朝岡真木子
「坦庵」、ラヴェル「子供と魔法」
等のソリストを演じ、宗教曲ではバッ
ハ「教会カンタータ」、ベートーヴェ
ン「第九交響曲」、シューベルト
「ミサ曲第6番」、ブラームス「ジ
プシーの歌」等のソリストを務める。


これまで声楽を井辻紀一、宮原昭吾、
菅原寿郎の諸氏に師事。
朗読法、日本語表現などを山崎正氏
に学ぶ。
千葉市音楽協会、日本声楽発声学会
各会員。東京声演会代表。

 

 

太田智子(ソプラノ歌手)

東京都出身。

国立音楽大学声楽科卒業。
ウラジオストク極東芸術大学ディプ
ロマ課程修了。
2001年冬、ミラノにてP.フィオレッ
ラのもと研鑽を積む。

江戸川演奏家協会、全日本演奏家協
会、東京国際芸術協会、コンセール
・ヴィヴァンの各オーディションに
入賞。
第4回及川音楽事務所オーディショ
ンにて最優秀新人賞受賞。

これまでに声楽を星 元子、渡辺恒
子、原田茂生、瀬山詠子、黒澤麻美、
P.フィオレッラ、V .ヴァローニンに
師事。現在、横浜チャリティーコン
サート他各地で演奏活動を行ってい
る。

ジャブチのうおい(道化師)

千葉県出身。

「墓の魚」では、スペイン・ラテン
系の歌を担当する。

安定した低音ボイスが特徴。

カロニャ・デ・メヒヨンという種類
の歌い手(道化師)で、コルドベス(ス
ペイン帽子)にフラメンコドレス、赤
い靴が定番の衣装。

ジャブチというのは南米に生息する
リクガメの事で、現地では食用になっ
ている。






黒実音子(作曲家、道化師)

14歳の時にキリスト教の神学、ヨーロッ
パ哲学メメント・モリ(墓の哲学)にとり
つかれて以来、以後二十年間、それらを
テー
マに作曲、作画、作劇活動を続けて
いる作家。

一見、魔女や墓場をテーマにした墓場
の幻想作家のような世界を描くが、
その魔女は社会主義者の比喩であった
り、墓場に住む者は政治的追放者の意
味を持っていたりなど、表現している
事は、現実へのシニカルな皮肉、社会
風刺
である事が多いのが特徴。

16歳の時に教会旋法、対位法などの作
曲技法を学ぶ為、カトリック教会が主
催していた対位法・作曲教室に通う。

また、同じ
頃、十六世紀の弦楽器リュ
ートを日本古典楽器センターで濱田三
彦氏に師事。

中世イタリアの道化芝居コンメディア
・デッラルテや、ティルソ・デ・モリ
ナなどのスペイン劇、レオポルド・ア
ラス
(クラリ
ン)の皮肉と風刺の効いた
スペイン文学などに多大な影響を受け、
古典的な文体と、哲学、ユーモアを交
えた独特な作品を現代
で作曲する。

幼い頃からキリスト教の宗教的雰囲気
の中に身を置き、フランスやスペイン
の古典文学に浸る。それゆえの独特な
曲風は、古
典派の厳格さと、フランス
的なメランコリーな旋律、スペイン的
な情熱と諧謔を併せ持ち、さらにジャ
ズや、タンゴの技法を
取り入れながら
も、あくまで古めかしさを芯にした作
風は、
「古楽」「クラシック」「アル
ゼンチン
タンゴ」「フラメンコ」「ミ
ュージカル」など、
様々な異なる音楽
人達からまさに「独特」と評される。

キリスト教の立場から見た異教幻想に
非常に深い興味を持ち、墓場やヴァニ
タス
的な幻想を作中に多く展開する事
が多いが、
最後には必ず人間の信仰に
よる美しい魂の浄化を表現するのが特
徴。

仕立て屋のオチ(道化師)

しゃがれ声で戯けた歌を担当する女
道化師。


サルトリアという種類の歌い手(道化
師)


パワフルな歌唱力と演技で、魔女の
音楽などを表現する。

仕立て屋という名前の由来は、昔のヨ
ーロッパ演劇で、仕立て屋が小賢い道
化的な役割をしていた事から。





































 




貝を漁る漁師達のミサ ~8曲のミサ・マカーブルと12の俗的な墓想曲~
■日時・2017年日() 時間17時30分開場 18時00分開演
■場所・松本音楽記念迎賓館・Aホール

松本記念音楽迎賓館

http://ongakugeihinkan.jp/

■演奏・スペイン墓の魚・室内管弦楽団(スペイン魔女のオーケストラ)
■料金・前売り2000円 当日2500

■出演者一覧

作詞作曲/十九世紀ギター/カリヨン/道化師クローシャル(歌)/黒実 音子
ポルトガルギター/バテンテギター/リュート/Keima Oswald
フラメンコギター/長洲 毅志
パルマ/フラメンコ・カスタネット/池田 久美子
パイプオルガン/ピアノ/チェンバロ/Ei
第二ピアノ/トイピアノ/卓上オルガン/伊藤 ありみ
アコーディオン/佐藤 香菜
オーボエ/赤井 理紗
第一バイオリン/大原 敏生
第二バイオリン/村瀬 銘緒子
ヴィオラ/石山 真穂
チェロ/川島 楓恋
第一コントラバス/井口 信之輔
第二コントラバス/吉山 知宏
第三コントラバス/後藤 由紀子

道化師サルトリア(歌)/トランペット/仕立て屋のオチ
カロニャ・デ・メヒヨン(歌)/天使のロングトランペット/ジャブチのうおい
オペラ歌手1(テノール)/ドン・ピングイーノ
オペラ歌手2(ソプラノ)/小木曽 鮎美
オペラ歌手3(ソプラノ)/太田 智子
コーラス/矢野 美弓
コーラス/大山 さやか




■申し込みフォームよりお申し込みいただけると、
後日、受付番号
をご連絡させていただきます。
お支払いは当日になります。









■申し込みフォームがご使用できない場合は、
お手数ですが、こちらのアドレスに送ってい
ただけますと嬉しいです。




pezdetumba@yahoo.co.jp


■メールタイトル「墓の魚」でお願い致します。

■お名前
ご来場人数を書いてください。


受付番号をご連絡させていただきます。
お支払いは当日になります。


 
どんなコンサートなのか不安な方へ


↑コンサートに関するQ&A




過去にゲスト出演していただいた歌い手さん






 







ラテンならではの陽気な墓場の哲学を、


古典のような詩で作る作曲家・黒実 音子の世界!!



まさに彼の世界は、現代の


「サルスエラ(道化芝居)」


です♪





黒実の作品には、スペインやフランスの文学好きが、思わずニヤリとしてしまうような
マニアックな小ネタが満載。ティルソ・デ・モリナから、カルデロンモリエール
オフィル・ゴーティエ
などなど、歌の歌詞の中に、貴方だけにわかる彼らのキーワード
が見つかるかもしれません。→スペイン文学と黒実音子

スペイン文学のクラリンの作品をヒントに生まれた「私の葬儀」↑


黒実の詩は、とても哲学めいていて、マニアック↑
   


ヴァニタスメメント・モリで有名なのは絵画や彫刻ですが、この楽団は日本で唯一、
音楽でそれらのテーマを表現しているオーケストラなんです。美術好きの方、畑違い
だなんて決め付けずに、ぜひ、聴いてみて下さいね♪ →トランジ

人生を海に浮かぶ腐敗した魚の死体に例えた「腐敗した魚のタンゴ」↑


楽器の好きな方は、今の時代、いろんな民族楽器古楽器を見てきていると思います。
最近は民族楽器や古楽器を使うバンドも増えてきました。しかし、そんな楽器をたくさん
見てきた方から見ても、うちの楽団の楽器は珍しいはず!!なぜなら、うちは、ちょっとだけ
楽器の入手のルートが違うからです。通常、そういった楽器は特殊な楽器屋や、楽器商
から入手するものですが、うちの楽器は、黒実が楽器とは関係ないアンティーク商や、
日本の楽器界ではあまり取引のない南イタリアから取り寄せたかなり珍しいもの。ドイツ
の卓上オルガン
や、中世のロング・トランペット古い教会の鐘(カリヨン)など、日本
ではここでしか見れないような不思議な楽器がたくさん登場します!!!
教会の鐘について →使用楽器の紹介ページ

リュートで歌う墓堀り人夫の歌曲
「モンパルナスの墓守」↑



黒実は、キリスト教の信仰を作曲のテーマにし、その一つとして宗教幻想の曲をたくさ
ん作っています。そこには、皆さんの大好きな魔女悪魔などの幻想的な魔物がたくさ
ん登場します。だからこの楽団は「スペイン魔女のオーケストラ」の別名を持っている
んです。ハロウィンじゃなくても、まるでハロウィンのような世界を年中楽しめるので、
若い方にも、ぜひ、おススメします♪

ポルトガルの墓を掘りながら、哲学を歌う女のファド「埋葬虫のファド」↑


イタリアのサバト(魔女の集会)を歌った曲「全ては幻想だったのですか?」↑


黒実の作品には、知ってる人は思わず笑ってしまう民俗学ネタや、風刺がたくさん入っ
ています。共産主義、犬儒、異教徒、詐欺師、ジプシー。「トラジ・コメディー」つま
り、人間の喜怒哀楽をユーモアを込めたピカレスクな世界には、様々な象徴的キャラク
ターが登場します。不思議な道化芝居をぜひ、お楽しみください♪ →犬儒とは


共産主義者とジプシー女と娼婦が三声合唱し、この世は喜劇だと歌う
「役に立たない者達のロンド」↑



トラジ・コメディを歌う陽気な魔女のジャズ「だから私達は朝まで大騒ぎ」↑

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