「信仰」

作詞・黒実 音子



最果てまで何一つ無い
放射線状の地平線の上を
一匹の毛虫が這っている。

おお、諸君!!
その毛虫こそが我々だ!!

辿り着ける場所もなく、
辿り着けるわけもなく、
それでもわけがわからずに
ただ、這い進むのだ。

白い犬を一匹と、理性のない友人を一人
連れて行くがいい。

人生は何一つままならない・・・

それでも信仰は持つのだ。
救いを信じていたいのなら・・

だが犬が聖書を食べてしまった!!

ああ・・・

毛虫は干からびつつある。
照りつける太陽に殺されるのだ。

だがどうにもならない。
どうにもならない事なら、
何回も見てきたように・・・

ああ!! なんて残酷な!!
無情なのだ!!

聖書はすっかり
糞になってしまった。

しかし・・・

しかしだ!!

それでも進んでゆくというのなら、
聖書の足りない部分は、
君のユーモアで埋めればいい。

糞はメルド(芸術)と呼べない事もない。

犬がアナタを愛してくれるだろう。
理性の無い友も!!

そうだ、人生は
理性が勝利を収めるとは
限らないのだから!!

それでも進むのか?

そうだ、
それが人生だ!!

もしかしたら、それが救いである
という事もありえはしないか?
すでに救われているとは?

毛虫よ、進め。

そして犬にトドメをさし、
友に毒を盛れ。

いつかそれでも
二人が自分を想い
傍についてきてくれると知った時、
人は泣くのだろう・・・

悪人こそが救われるのだ!!

それが愛であり、
信仰であり、
それが毛虫の辿り着ける楽園だ。

愛は決して綺麗事なんかじゃない・・・

信仰は決して、
絵に描いたような晩餐を用意して
諸君を待っていてくれるわけではないのだ

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