「ボティーガス墓地の一夜 〜屍を漁る類の魔女の話〜」より 3番 ティエント 作詞作曲 黒実 音子 **老いぼれたミヤマ鴉** 捨てられた骨よ、捨てられた栄光よ、 あい、見事な旦那様よ どんなに富にすがりつこうと、 どんなに善行を積もうと、 死んだお前は、糞ったれなジプシー女の骸の隣に横たえられ、 同じ土をかぶせられ、朽ちていくのだ **骨や屍達** (応唱) 美しき娘よ、古き良き日々よ、 あい、懐かしき過去よ どんなに美しい青春も、 どんなに誇り高き決闘も、 死んだ今は土をかぶり、忘れ去られ、 振り返る者もいないのだ **老いぼれたミヤマ鴉** 捨てられた骨よ、捨てられた栄光よ、 あい、哀れな仕立て屋よ どんなに欲深だろうと、 どんなに愚鈍だろうと、 死んだお前の苔むした骨も、美しき娘の屍も、 同じ土をかぶせられ、朽ちていくのだ **骨や屍達** (応唱) 若き恥よ、幼い過ちよ、 あい、偉大な時の流れよ どんなに赦されぬ傷も、 どんなに恥知らずな欲望も、 死んだ今はウジ共に喰われ、風にさらわれ、 涙流す者もいないのだ **全員** (結唱) やれ嬉しや、やれ虚しや、 あい、一連の人生劇よ。 そんな虫の喰らう終焉にも、 穴の開いた空虚にも、 ましてや、哀れな泥だらけの罪にも 賛美と赦しの歌は流れるのだ |