帳簿を持った天使
作詞 黒実 音子
美しき正統派の世界よ。
強者の世界よ。
我は墓場の道化師。
弱者の王。
それでも私は、愚かにも神の玉座に憧れる。
マクベスのように。
自分が醜悪で、滑稽な存在とわかっていながら、
それでも私は、「帳簿を持った天使」に恋をする。
その天使は、最後の審判に向けて、
神の為に魂を計測する
重大な仕事を持っていると知りながらも、
大した使命も持たない乞食である私は
その天使に関わりたくて、あがくのだ。
なぜって、神よ。
ご存じないのだろうか?
悪霊が恋をする相手は、悪魔でも魔女でもなく、
いつだって天使なのだという事を。